出版社を通さずに本を出せることが、まだ当たり前になっていないのだと思います。商業出版と何が違うのか、自費出版とはどう別物なのか、個人で出すときに引き受けることは何かを整理しました。

支度中…
出版社を通さずに本を出せることが、まだ当たり前になっていないのだと思います。商業出版と何が違うのか、自費出版とはどう別物なのか、個人で出すときに引き受けることは何かを整理しました。
Kindle出版のメリットとデメリットを正直に並べた
よく言われているデメリットと、実際にやってみて効いてくるデメリットは、かなり違いました。3年続けて実感しているメリットとデメリットを、両方できるだけ正直に並べます。
紙の本が、届いた日
電子書籍しか出してこなかった私のもとに、初めて紙の見本が届いた。段ボールを開けるとき、少しだけ手が止まった。画面の中にしかなかったものが、その日、重さを持っていた話。
Kindle出版の文字数に、決まりはあるのか
何文字書けばいいですか、という質問がいちばん答えにくい。Kindle出版に最低文字数の規定はありません。ただ、規定が無いことと何文字でもいいことは違いました。分量について確かめたことを書きます。
ほんの寺子屋は、師匠の伴走と仲間との学び合いで自分の本を世に出す出版コミュニティ。 気になったら、まずは見習いから覗いてみてください。
個人で電子書籍を出す、という言い方をすると、いまだに少し驚かれます。出版社を通さずに本が出せるということが、まだ当たり前になっていないのだと思います。
私も数年前までは知りませんでした。本を出すというのは、企画書を書いて出版社に持ち込んで、通れば出せる、通らなければ出せないもの。そう思っていました。ここでは、個人が電子書籍を出すというのが具体的にどういうことなのかを、商業出版と比べながら書きます。
個人出版は、著者が直接ストアに本を並べる形です。企画の審査はなく、書き上げれば出せます。
AmazonのKindle Direct Publishingがその代表で、ほかに楽天KoboやApple Booksにも同様の仕組みがあります。
商業出版では、編集者が構成を見て、校正者が誤字を拾い、装丁家が表紙を作り、営業が書店に並べます。
個人出版では、それを全部自分でやります。あるいは、必要なところだけ外注します。
この違いは、自由と引き換えに手間を引き受けるということです。どちらが良いという話ではなく、性質が違います。
商業出版は、企画が通ってから本になるまで半年から1年かかることが珍しくありません。
個人出版は、原稿さえあれば数日で出せます。KDPのタイムラインには、電子書籍の詳細ページは72時間以内に表示されると記載されています。
ここは混同されやすいので、はっきり分けておきます。
紙の自費出版は、出版社に費用を払って本を作ってもらう形です。数十万円から数百万円かかります。その多くは印刷代と在庫と流通の前払いです。
個人の電子書籍出版は、費用がかかりません。刷ってから売るのではなく、売れてから配信されるからです。ペーパーバックも注文が入ってから1冊ずつ印刷されます。
「Kindleで出しませんか」と持ちかけて数十万円を請求する話が実在します。何にいくらかかるのかの内訳を出せない相手には、お金を渡さないほうがいいと思います。詳しくは費用の回に書きました。
商業出版の印税は一般に10%前後と言われます。個人で電子書籍を出す場合、条件を満たせば70%です。
電子書籍のロイヤリティの仕組みでは、価格が250円から1,650円(税込)の範囲なら70%を選べます。
商業出版は部数が見込めない題材を通せません。個人出版にはその制約がありません。
読者が全国に500人しかいない題材でも出せます。そして、その500人にとっては他に代わりのない本になります。私が個人出版でいちばん面白いと思っているのは、この部分です。
刷ってしまえば直せない紙と違い、電子書籍はあとから修正できます。
誤字も、構成も、価格も、表紙も変えられる。完成させてから出すのではなく、出してから育てられる。この違いは思っていたより大きいものでした。
出せば読まれる、ということはありません。出版社の営業も書店の平台もないので、見つけてもらう工夫は自分でやります。
キーワード、カテゴリ、表紙、内容紹介。この4つが実質的な営業です。売れないときの回に切り分け方を書きました。
誤字を拾ってくれる人がいません。事実確認をしてくれる人もいません。
特に、お金や健康や法律に関わることを書くときは、一次情報を自分で当たる必要があります。ここを怠ると、間違いがそのまま読者に届きます。
締め切りがありません。誰も催促しません。
これは自由であると同時に、いちばん難しいところです。私は自分で締め切りを設定するようにしましたが、それでも守れない月があります。この話は別の回に書きました。
書き始める前に決めておくと、あとが楽になることが3つあります。私は一冊目でどれも決めずに始めて、途中で全部やり直しました。
いちばん大事で、いちばん飛ばされるのがこれです。
対象を広く取ると、書いている途中で軸がぶれます。誰にでも役立つ本を書こうとすると、誰にも刺さらない本になります。
私は「三年前の自分」に向けて書くようにしています。そのころ何が分からなかったか、何を知りたかったかは、はっきり覚えているからです。読者像を作り込むより、これが早い。
一冊にすべてを詰め込もうとすると、終わりません。
範囲を先に切ると、書き終われます。入門なら入門だけ、応用は次の本に回す。これは出し惜しみではなく、読者にとっても親切です。全部入りの本は、初心者には重すぎます。
これを先に決めておかないと、あとで組み直しになります。
紙も出すなら、判型とページ数の下限を意識して構成を立てる必要があります。ペーパーバックは24ページから、判型ごとに範囲があります。電子で書き切ってから紙にしようとして、ページ数が足りずに諦める人がいます。詳しくはペーパーバックの回に書きました。
できます。Amazon KDPをはじめとするサービスを使えば、出版社を通さずに個人が直接電子書籍をストアに並べられます。企画の審査はありません。
違います。紙の自費出版は出版社に費用を払って本を作ってもらう形で、数十万円かかることがあります。個人の電子書籍出版は費用がかかりません。
Amazon KDPの場合、価格が250円から1,650円(税込)の範囲であれば70%を選べます。商業出版の一般的な印税率と比べると高い水準です。
企画の審査はありませんが、出版時にコンテンツガイドラインへの適合が確認されます。内容の良し悪しを判定するものではありません。
電子書籍は各ストアに並びます。ペーパーバックはAmazonで販売されますが、一般の書店の店頭に自動的に並ぶことはありません。
個人出版という言葉には、一人でやるという響きがあります。実際、制度としてはそのとおりです。
ただ、一人でやらなければいけないわけではありません。編集者がいないなら、原稿を読んでくれる仲間を持てばいい。営業がいないなら、先に通った人にやり方を聞けばいい。
ほんの寺子屋は、そのための場所です。月謝3,000円で、師匠が伴走し、筆子どうしで原稿を読み合います。印税は100%あなたのもので、私たちが受け取ることはありません。
まずは無料の見習い登録から覗いてみてください。
なお、この記事の数字は執筆時点でKDP公式ヘルプに記載されているものです。条件は変わることがあるので、KDP公式の最新の記載でご確認ください。
※この随筆は個人の見解・体験にもとづく読み物です。お金・税・法律に関わる話は一般論であり、 実際のご判断は必ず公式情報や専門家でご確認ください。