本名で出すのか、ペンネームにするのか。会社に見つかったらどうするのか。制度として決まっていることと、実際にはどこから身元が割れるのかを、正直なところまで含めて書きました。

支度中…
本名で出すのか、ペンネームにするのか。会社に見つかったらどうするのか。制度として決まっていることと、実際にはどこから身元が割れるのかを、正直なところまで含めて書きました。
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ほんの寺子屋は、師匠の伴走と仲間との学び合いで自分の本を世に出す出版コミュニティ。 気になったら、まずは見習いから覗いてみてください。
本を出すと決めてから、いちばん長く迷ったのは内容でも表紙でもなく、名前でした。
本名で出すのか、ペンネームにするのか。会社の人に見つかったらどうするのか。家族には言うのか。書く前から、そんなことばかり考えていた時期があります。ここでは、Kindle出版のペンネームについて、制度として決まっていることと、実際にどこまで守れるのかを整理します。
まず結論です。KDPで登録する著者名は、本名である必要はありません。好きな名前を入れられます。
商品ページに表示されるのも、その名前です。読者が本名を知る経路はありません。
ただし、KDPのアカウント情報には本名を登録します。印税の振込先の口座名義や税務情報は、当然ながら本人のものです。
つまり、Amazonは本名を知っていて、読者は知らない、という状態になります。この区別を理解しておくと安心できます。
著者名は本ごとに設定できます。ジャンルによって名前を変えることも可能です。
私は分野を分けたくなったときにこれを使いました。アカウントを分ける必要はありません。
ここは正直に書いておきます。ペンネームで出したからといって、絶対に誰にも分からないわけではありません。
まず、ペーパーバックを出す場合。紙の本には出版社名や発行者の情報が入ることがあります。ここに何を入れるかは選べますが、設定を確認しないまま進めると意図しない情報が載る可能性があります。
制度の話より、こちらのほうが現実的です。
自分の体験を書けば書くほど、知っている人には分かります。勤務先の業界、住んでいる地域、家族構成。3つも重なれば、心当たりのある人には特定できます。
私は一冊目で、勤務先が推測できる記述をそのまま書いていました。あとで読み返して冷や汗をかき、改訂で表現を薄めました。本文はあとから直せるので助かりましたが、出したあとに気づくのは怖いです。
告知のために自分のSNSで宣伝すると、そこから結びつきます。ペンネームで出す意味と、告知したい気持ちは、しばしば衝突します。
ここは最初に方針を決めておいたほうがいいです。宣伝を優先するのか、匿名性を優先するのか。両立させようとすると、たいてい中途半端になります。
副業として書く方から、必ず聞かれることです。
ペンネームで出すこと自体は自由ですが、会社に知られる経路はもうひとつあります。住民税です。一般論として、確定申告のときに住民税の徴収方法を普通徴収に切り替えると、副業分の住民税が給与から天引きされなくなります。
ただし自治体の運用によっては選べない場合があり、そもそも就業規則で副業が禁じられている場合は税とは別の問題になります。詳しくは確定申告の回に書きました。税の判断は必ず税務署か税理士にご確認ください。
意外と大事なのがこれです。ありふれた名前にすると、読者が著者名で検索したときに他の人が出てきます。
著者名は、読者が次の本を探すときの手がかりです。ここで埋もれると、せっかく気に入ってもらっても2冊目にたどり着けません。
凝った当て字は、覚えてもらえません。口に出せない名前は、人に勧めてもらえません。
私は一度、画数の多い名前を考えて悦に入っていました。声に出してみて、やめました。
ペンネームは、あとから変えられます。ただし、変えると過去の本との連続性が切れます。
書きたい分野が変わっても使える名前かどうか。若いころの勢いで決めた名前を、10年後の自分が名乗れるか。このあたりまで考えると、落ち着いたところに着地します。
この迷いの記録はペンネームを決めあぐねてという回にも書きました。
制度とは関係ない話ですが、これも同じくらい悩む人が多いところです。
私はしばらく言いませんでした。理由は、売れなかったときに気まずいからです。応援されるとかえって書けなくなる気もしていました。
結局、紙の本が届いた日に話しました。この話は家族には、まだ言っていないという回に書いています。
正解はないと思っています。ただ、言わないと決めたなら、原稿の中身もそれに合わせて書く必要があります。半分隠して半分書くのが、いちばん苦しい。
制度の話とは別に、手を動かして分かったことをいくつか書いておきます。
KDPの登録画面では、著者名を姓と名に分けて入力します。日本語のペンネームを一続きで考えていると、どこで切るか迷います。
一語のペンネームを使いたい場合は、名の欄だけに入れる形になります。表示のされ方が想定と違うことがあるので、出版前のプレビューで確認したほうがいいです。
英語圏の仕様に合わせて、名、姓の順で表示される場面があります。日本語名だと違和感が出ます。
私はここで一度、表示を見て入力し直しました。出版してからでも直せますが、最初に確認しておくほうが気持ちがいいです。
Amazonには著者ページを作る仕組みがあります。作ると、著者名から全ての本をまとめて見せられます。
ペンネームで活動するなら、ここも同じ名前で統一しておくと、読者が次の本にたどり着きやすくなります。逆に、匿名性を最優先するなら、著者ページに経歴を書きすぎないという判断もあります。
著者名は変更できますが、変えると過去の本との結びつきが弱くなります。読者は著者名から次を探すので、ここが切れると回遊が止まります。
だから、決めるのは遅くていいけれど、決めたら動かさないほうがいい。私はそう考えています。
出せます。著者名は本名である必要がなく、商品ページに表示されるのもその名前です。KDPのアカウント情報には本名を登録しますが、読者に表示されることはありません。
変更できます。ただし過去に出した本との連続性が切れるため、著者名から回遊してくれていた読者を失う可能性があります。
使えます。著者名は本ごとに設定できるため、ジャンルによって使い分けることが可能です。
絶対ではありません。著者名からは分かりませんが、住民税の経路や、本文の内容から推測される可能性があります。副業が就業規則で禁止されている場合は、税の手続きとは別の問題になります。
実名で活動している分野の本であれば、経歴が信頼につながります。逆に副業や私的な内容であれば、ペンネームのほうが書きやすいことが多いです。
ペンネームで何日も悩んでいたころ、原稿は1文字も進んでいませんでした。
いま思えば、名前を考えている時間は、書くことから逃げている時間でもありました。名前は最後に決めればいい。出版画面に入力するまで、確定させる必要はないのです。
ほんの寺子屋には、同じところで止まった人がたくさんいます。月謝3,000円で、師匠が伴走し、先に出した仲間が「そこは後でいい」と言ってくれる。印税は100%あなたのもので、私たちが受け取ることはありません。
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なお、この記事は個人の体験にもとづく一般論です。税や就業規則に関わる判断は、税務署、税理士、またはお勤め先の規程でご確認ください。KDPの仕様はKDP公式の最新の記載をご覧ください。
※この随筆は個人の見解・体験にもとづく読み物です。お金・税・法律に関わる話は一般論であり、 実際のご判断は必ず公式情報や専門家でご確認ください。