作り込んだ表紙が、検索結果では親指の爪ほどの大きさで並んでいました。Kindle出版の表紙について、KDP公式が定めるサイズや比率の要件と、実際に並べてみて分かったことを書きます。

支度中…
作り込んだ表紙が、検索結果では親指の爪ほどの大きさで並んでいました。Kindle出版の表紙について、KDP公式が定めるサイズや比率の要件と、実際に並べてみて分かったことを書きます。
表紙は、最初の1秒で決まる
Kindleの検索結果に並ぶあなたの本は、親指サイズのサムネイル。読者がスクロールする手を止めるかどうかは、ほんの一瞬で決まります。中身より先に、表紙の話をします。
Kindle出版の印税は、何がどう引かれて手元に残るのか
Kindle出版の印税は、仕組みを知らないまま出すと思ったより少なく感じます。35%と70%の分かれ目、消費税と配信コストの差し引き、読み放題のページ単価まで、公式の数字を引いて計算しました。
Kindle出版のやり方を、最初から最後まで書き出した
Kindle出版のやり方が分かりにくいのは、工程が難しいからではなく全体像が見えないからだと思っています。アカウント作成から出版ボタンを押したあとまで、私が実際に踏んだ順に5つの工程として書き出しました。
ほんの寺子屋は、師匠の伴走と仲間との学び合いで自分の本を世に出す出版コミュニティ。 気になったら、まずは見習いから覗いてみてください。
Kindleストアで自分の本を初めて見たとき、いちばん驚いたのは表紙の小ささでした。
パソコンの画面いっぱいに開いて作り込んだ表紙が、検索結果では親指の爪ほどの大きさで並んでいる。凝ったフォントは潰れ、細かい装飾は消え、サブタイトルは読めない。あの日から、表紙の作り方についての考えが変わりました。ここではKindle出版の表紙について、公式の要件と、実際に並べてみて分かったことを書きます。
まず技術的な要件です。電子書籍の表紙画像の必要条件に、はっきり書かれています。
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| ファイル形式 | TIFF(.tif/.tiff)または JPEG(.jpeg/.jpg) |
| 推奨サイズ | 高さ2,560ピクセル、幅1,600ピクセル |
| 最小サイズ | 高さ1,000ピクセル、幅625ピクセル |
| 最大サイズ | 高さ・幅ともに10,000ピクセル以下 |
| 縦横比 | 1.6:1以上が理想 |
| カラープロファイル | RGB |
| ファイルサイズ | 50MB未満 |
| 解像度 | 72dpi、最良の結果には最低300PPI推奨 |
推奨の2,560×1,600ピクセルで作っておけば、まず問題は起きません。
公式にもうひとつ、見落とされがちな推奨があります。「3〜4ピクセルの細い薄灰色の枠線を追加することをお勧めします」という一文です。
理由は単純で、Kindleストアの背景は白いからです。白い背景の表紙をそのまま置くと、どこまでが表紙なのか分からなくなります。枠線を入れると、輪郭が立ちます。これは実際にやってみると効果がはっきり分かりました。
縦横比は1.6:1以上が理想とされています。正方形に近い表紙を作ると、一覧に並んだときに他の本と高さが揃わず、収まりが悪くなります。
Kindle出版の表紙で最も大事なのは、縮小しても読めるかどうかです。
作っている最中は、画面に大きく表示された状態を見ています。だからつい、細かい装飾や小さい文字を足したくなる。ところが読者が見るのは縮小版です。
私がいまやっているのは、作った表紙をスマートフォンで開いて、検索結果と同じくらいの大きさまで縮めて眺めることです。ここでタイトルが読めなければ、その表紙は作り直しです。
縮小に耐える表紙は、例外なく文字が少ないです。
タイトル、あってもサブタイトルの一部、著者名。それだけです。伝えたいことを全部載せた表紙は、遠目にはただの灰色の塊になります。
私は一度、キャッチコピーを3行入れた表紙を作ったことがあります。手元では格好よく見えました。ストアに並べたら、何も読めませんでした。ここは文字を詰めすぎていた回にも書きました。
もうひとつ効いたのは、自分が出すカテゴリの上位の本を10冊ほど並べて眺めることです。
売れている本の表紙には、そのジャンルなりの型があります。ビジネス書には ビジネス書の顔があり、実用書には実用書の顔がある。そこから大きく外れると、読者は自分が探している種類の本だと認識してくれません。
型に従えということではなく、まず型を知ってから外すという順番の話です。
無料のツールでも十分作れます。テンプレートから始めて、文字を差し替え、色を整える。慣れれば1時間ほどです。
自分で作る利点は、費用が0円であること以上に、何度でも作り直せることにあります。売れ行きを見ながら表紙を変える、という手が打てます。表紙はあとから差し替えられます。
クラウドソーシングなら数千円から、デザイナーへの直接依頼なら数万円というのが実際に見かける幅です。詳しくは費用の回に書きました。
外注するときに気をつけているのは、丸投げしないことです。似た系統の本を3冊ほど見せて、こういう方向で、と伝える。これをやるかどうかで仕上がりがまったく変わりました。
一冊目は自分で作り、二冊目は外注し、いまはまた自分で作っています。行ったり来たりしましたが、後悔はしていません。
外注して分かったのは、プロがどこに気を配っているかでした。文字の間隔、余白の取り方、色数の絞り方。それを一度見てから自分で作ると、前より確実に良くなりました。
紙で出す場合、表紙は表1だけでなく、背表紙と裏表紙がつながった1枚のデータになります。
背幅はページ数と用紙で変わるので、ページ数が確定してから作ります。KDPには表紙テンプレートを生成するツールがあり、判型とページ数を入れると正確なサイズのテンプレートが手に入ります。
電子書籍の表紙を流用しようとして、背幅が合わずにやり直す。これは私がやった失敗です。紙を出す予定があるなら、最初から紙の表紙を作って、その表1部分を電子に使うほうが手戻りがありません。
KDP公式の推奨は高さ2,560ピクセル、幅1,600ピクセルです。最小は高さ1,000ピクセル、幅625ピクセル、最大は高さ・幅ともに10,000ピクセル以下とされています。
大丈夫です。無料のツールでも要件を満たす表紙は作れます。ただし縮小したときにタイトルが読めるかどうかは必ず確認してください。
変更できます。新しい画像をアップロードして更新すれば差し替わります。売れ行きを見ながら試せるので、最初から完璧を目指す必要はありません。
商用利用が許可された素材か、自分で作成したものを使う必要があります。素材サイトの利用規約は必ず確認してください。生成AIで作った画像を使う場合、KDPではAI生成コンテンツの申告が求められます。
いいえ。紙は背表紙と裏表紙を含む1枚のデータが必要で、背幅はページ数によって変わります。KDPのテンプレート生成ツールを使うのが確実です。
表紙について一番実感しているのは、自分では判断できないということです。
何時間も見ていると、良し悪しが分からなくなります。そういうとき、誰かに一度見てもらうと、5秒で答えが出ます。読めない、暗い、他の本と似ている。自分で悩んだ3日より、その5秒のほうが正確でした。
ほんの寺子屋には、先に出した仲間が表紙を見てくれる仕組みがあります。月謝3,000円で、師匠が伴走し、筆子どうしで原稿と表紙を読み合う。印税は100%あなたのもので、私たちが受け取ることはありません。
表紙を見てほしい、というだけでも構いません。無料の見習い登録から覗いてみてください。
なお、この記事の要件は執筆時点でKDP公式ヘルプに記載されているものです。仕様は変わることがあるので、実際に作るときはKDP公式の最新の記載でご確認ください。
※この随筆は個人の見解・体験にもとづく読み物です。お金・税・法律に関わる話は一般論であり、 実際のご判断は必ず公式情報や専門家でご確認ください。