Kindle出版(KDP)のやり方を、アカウント登録・原稿・表紙・入稿・審査・販売の順に解説。必要なファイル形式、ロイヤリティの選び方、審査日数までKDP公式ヘルプをもとにまとめました。
「本を出してみたい。でも、Kindle出版のやり方を調べると、アカウントの話、ファイル形式の話、ロイヤリティの話がばらばらに出てきて、どこから手を付ければいいのか分からない」。この記事は、そういう状態の人に向けて書いています。Kindle出版(KDP)は、Amazonのサイトで自分の本を登録し、審査を経て販売する仕組みです。やること自体は6段階に整理できます。順番どおりに進めれば、パソコンとメールアドレスがあれば、費用をかけずに最初の1冊を出せます。ただし「出せる」と「読まれる」は別の話なので、後半でその現実にも触れます。
Kindle出版のやり方は6段階に分かれる
全体の流れを先に示します。
- KDPアカウントを作り、著者情報・支払い口座・税務情報を登録する
- 原稿を作る(EPUBかWordのDOCX)
- 表紙の画像を用意する
- KDPの本棚から本を登録し、価格とロイヤリティを決めて入稿する
- Amazonの審査(レビュー)を待つ
- 販売が始まり、必要なら修正して再出版する
このうち時間がかかるのは2の原稿づくりで、ほかは慣れれば1〜2時間の作業です。最初の1冊は、手順そのものより「何を書くか」で止まる人がほとんどです。手順は覚えれば済むので、まず全体を一度なぞってみてください。
手順1 KDPアカウントを作る(Kindle出版の入口)
KDP(kdp.amazon.co.jp)にAmazonのアカウントでサインインすると、KDPアカウントが作られます。ここで「アカウント情報が不完全です」と表示されますが、これはエラーではなく、出版に必要な登録がまだ揃っていないという案内です。次の3点を入力すると消えます。
- 著者/出版社情報(本名・住所・電話番号)
- 支払いの受け取り方法(銀行口座)
- 税に関する情報(税務インタビューへの回答)
3点すべてが完了するまで本は出版できません。途中で2段階認証のワンタイムパスワードを求められるので、コードを受け取れる電話を手元に置いてから進めてください。
ここで迷いやすい点を2つ補足します。まず、本にはペンネームを使えます。本の「著者」欄には任意の名前を入れられ、本名はサイト上に表示されません。ただしアカウント情報には支払いと納税のために本名が必要で、出版後に主著者名は変更できないので、入力時の誤字には注意が必要です。次に、KDPアカウントは1人につき1つだけです。個人用と法人用を分けて2つ作ることは禁止されており、規約違反の重複アカウントは停止の対象になります。
税務インタビューは、英語のフォーム(W-8BEN)が自動で作られる仕組みで、書面を自分で用意する必要はありません。「源泉徴収税率30%」と表示されても、Amazon.co.jpでの電子書籍の売上には米国の源泉徴収はかかりません。銀行口座は日本の口座を登録でき、電子資金振替なら最低支払い金額はありません。税務の細部は人によって異なるので、迷う場合は税務署か税理士に確認してください。
参考: KDP公式ヘルプ(https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/GHASDBMPJDXLKXBC)
手順2 原稿と表紙を作る(Kindle出版のやり方で一番時間がかかる工程)
原稿のファイル形式は、EPUBかMicrosoft WordのDOCXが基本です。章構成が単純な文字中心の本ならWordで十分で、縦書きにしたい場合はWordの「文字列の方向」を縦書きにするか、縦書き対応のEPUBを使います。かつて使われたMOBI形式は新規出版では使えなくなっているので、古い解説記事を見て準備しないよう注意してください。PDFは日本語のリフロー型原稿には使えません。
Wordで作る場合のコツは2つです。各章のタイトルに「見出し1」のスタイルを当てること、そして「参考資料」タブから目次を自動生成することです。これでKindleのメニューから章に飛べる目次ができます。目次の有無は読者の使い勝手を左右するので、省略しないでください。なお、Amazonの無料ツールであるKindle Createは、日本語のリフロー型の本には対応していません。日本語の文字主体の本は、WordかEPUBを直接アップロードするのが正解です。
表紙は、JPEGまたはTIFF形式で、推奨サイズは高さ2,560×幅1,600ピクセル、ファイルサイズ50MB未満、RGBカラーです。最小は高さ1,000×幅625ピクセルですが、ストアのサムネイルでも文字が読めるように、推奨サイズで作るほうが安全です。自分でデザインするのが難しければ外注する選択肢もあり、その費用感は /guide/kindle-shuppan-hiyou にまとめています。
手順3 Kindle出版の入稿(価格・ロイヤリティ・カテゴリー・キーワード)
KDPの本棚で電子書籍の作成を選ぶと、本の詳細情報、コンテンツ、価格設定の3つの画面が順に出ます。
詳細情報の画面では、タイトル、著者名、内容紹介、カテゴリー(最大3つ)、キーワード(最大7個)を入れます。キーワードは読者が実際に検索しそうな2〜3語のフレーズが推奨されています。「新刊」「ベストセラー」のような宣伝文句や、無関係な著者名・ブランド名はキーワードに使えません。ここでAI生成コンテンツの申告も行います。AIに書かせた文章や画像は、あとで大幅に編集しても「AI生成」として開示が必要で、自分で書いた文章をAIで校正・改善しただけなら開示は不要です。詳しくは /guide/kindle-shuppan-ai-shinkoku を読んでください。
日本語で縦書きの本なら、「ページを読む方向」で「右から左」を選びます。また、価格の基準になる「主なマーケットプレイス」はAmazon.co.jpにしておくと、円で価格を決められます。
価格設定の画面では、ロイヤリティを35%か70%から選びます。Amazon.co.jpで70%を選ぶには、税抜の希望小売価格を250円〜1,250円にすることと、KDPセレクトに登録することの両方が条件です。KDPセレクトは90日単位で電子版をKindleストアの独占販売にするプログラムで、登録すると読み放題(Kindle Unlimited)の対象になり、読まれたページ数に応じた分配金も入ります。他の電子書籍ストアでも売りたい人は、この独占条件を確認してから決めてください。70%を選ぶとファイルサイズに応じた配信コスト(Amazon.co.jpは1MBあたり1円)が価格から引かれます。35%なら価格帯は99円〜20,000円と広く、配信コストも引かれません。
参考: KDP公式ヘルプ(https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G200634560)
手順4 審査を待ち、Kindle出版の販売が始まる
「Kindle本を出版」を押すと、Amazonがコンテンツガイドラインへの適合を確認する「レビュー中」になります。公式ヘルプの目安は、本がAmazonで販売されるまで通常3〜10営業日で、電子書籍の商品ページ表示は72時間以内とされています。営業日なので、土日を挟むと体感はもう少し長くなります。「販売中」になった直後は検索結果に出るまで最大72時間かかるので、本棚のリンクから商品ページを直接開いて確認してください。
審査で本が「下書き」に戻った場合は、直すべき点が見つかったということです。登録したメールアドレスに届いた指摘を読んで修正し、再提出します。典型的な原因は、権利を証明できない素材、Web上に無料で存在する内容、誤解を招くタイトルや内容紹介です。
出版後の修正はいつでもできます。本棚から原稿を差し替えて再出版すると、再び審査があり、新規購入者には最新版が配信されます。ただし変更が全体の10%を超えるような大幅改訂は、新しい本として出す必要があります。
なお、1週間に同時に作成できるタイトル数は、電子書籍と紙書籍それぞれ10点までです。最初の1冊で気にする必要はありませんが、上限があることは覚えておいてください。
参考: KDP公式ヘルプ(https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G202173620)
Kindle出版のやり方を覚えたあとに待っている現実
ここまでが手順です。ただ、正直に書いておきます。Kindle出版で出た本の平均販売は100部未満と言われています。初心者の最初の1〜2冊は、月500〜3,000円が中央値に近い水準です。手順を正しく踏めば本は出ますが、出しただけでは読まれません。
読まれるかどうかを分けるのは、手順ではなく、テーマの選び方、タイトル、カテゴリー、表紙、目次です。運営者は2025年からひとりで131冊を出し、月15万円のロイヤリティに達した月があります(Amazonで全冊確認できます)が、これは1冊の当たりではなく、冊数と選び方の積み重ねです。何が売れない原因になるかは /guide/kindle-shuppan-urenai に分けて書きました。
もうひとつ、時間の話です。ロイヤリティは、販売が報告された月の末日から約60日後に支払われます。1月の売上なら3月末頃です。すぐにお金が動く仕組みではないので、副業として考える人は /guide/fukugyou-hon-wo-kaku もあわせて読んでください。
まずは、あなたの詳しいことが本になるか確かめる
手順は覚えれば済みますが、「何を書くか」は手順の外にあります。あなたの詳しいことが本になるかどうか、無料の出版診断(/shindan)でテーマを1つ送ってもらえれば、その分野の既刊数、競合の評価、読まれ方の目安、近い既刊の例を運営者が見て、2営業日以内にメールで返します。売り込みの電話やLINEはしません。
よくある質問
Kindle出版のやり方を覚えるのに、どのくらいの時間がかかりますか
アカウントの登録と入稿の操作だけなら、初めてでも半日あれば終わります。時間がかかるのは原稿づくりで、ここは書く量と慣れによって数週間から数か月まで幅があります。最初の1冊は、操作より「テーマを決めて書き切る」ことに時間を使うと考えてください。
スマートフォンだけでKindle出版はできますか
KDPの管理画面自体はブラウザで動きますが、原稿ファイル(EPUBやDOCX)の作成と表紙画像の用意、プレビューでの確認は、パソコンのほうが確実です。無料のKindle PreviewerもWindowsとMac向けのソフトです。最低限、原稿と表紙を仕上げる工程ではパソコンを使うことをおすすめします。
出版後にタイトルや内容を直せますか
内容紹介やカテゴリー、キーワードなどのメタデータは本棚の「詳細の編集」からいつでも変更でき、反映まで48〜72時間ほどが目安です。本文の修正も、原稿を差し替えて再出版すればできます。ただし出版後に主著者名は変更できないので、著者名だけは入稿前に見直してください。
※このガイドはKDPの公式ヘルプと運営者の出版実績にもとづいて書いています。仕様や料率は変わることがあるため、 実際のご判断は必ずAmazon KDPの最新の公式情報でご確認ください。

